スマホの節電アプリは逆効果?バッテリー消費が増える理由とやるべき節電対策を紹介

スマートフォンの節電アプリは種類が多くありますが、どれが本当に効果があるのか選ぶのは大変です。選ぶアプリを間違えると、節電どころか逆に消費電力を増やしてしまうことも。本記事では節電アプリが逆効果になってしまう場合について説明します。スマートフォンの節電のため、本当に注力すべき対策内容についても紹介しましょう。
節電アプリのおもな種類
スマートフォンで利用できる節電アプリはおもに3種類あります。それぞれのアプリの特徴について説明しましょう。
性能・機能制限系アプリ
バッテリーの容量が少なくなったことを検知すると、性能や機能を落とすことで電力消費を抑えるアプリです。画面の照度を下げて暗くする、Wi-Fi探索機能をオフにする、機内モードにするなどの節電対策を自動的に行なうことが特徴。バッテリーが残り少ないことがユーザーにもわかるため、充電できる状況になるまで使用を控える判断ができるというメリットもあります。
バッテリーの容量が十分にある状態なら、特に制限なく使用できます。アプリとしての機能が単純であるため、動作が軽くCPUの負荷になりにくいです。ただし性能や機能が制限された状態では、普段と比べて使用しづらくなることがデメリット。またバージョンの古い端末では動作が重くなることもあります。
通信キラー系アプリ
LTE/4G/5GやWi-Fiといったモバイル通信回線を切ることで、データ通信の電力消費を抑えるアプリです。スリープ状態のときのみ切る設定にしておけば、使用している最中は特に不便さを感じることはないでしょう。
デメリットとしては、緊急のメッセージを受け取れないこと。SNSのメッセージなどをリアルタイムに受け取れず、通信が回復した際にまとめて受け取ることになります。また頻繁にスマートフォンを起動させるような使い方をしていると、節電にならないので注意しましょう。
タスクキラー系アプリ
使用していないバックグラウンドアプリを強制的に停止させることで、CPUの負荷を減らして電力消費を抑えるアプリです。CPUの負荷が減ると動作もスムーズになると宣伝されています。
ただし、この強制停止こそが電力消費を増やす大きな要因。詳細は後述しますが、アプリの起動や停止はスマートフォンの端末側が自動で行なうため、アプリで強制停止させることは逆効果となってしまいます。
節電アプリが逆効果となる理由

3種の節電アプリについて紹介しましたが、機能が貧弱なアプリを使ったり、使い方を間違えたりすると逆効果になってしまいます。
節電アプリ自体の消費電力が大きいものがある
アプリの基本的な動作としては、スマートフォンの機能監視を行ない、バッテリーの減りやスリープ状態を検知して節電動作を行なうというもの。常にバックグラウンドで動いており、アプリ自体の電力消費が激しいものがあります。
節電アプリといっても世のなかには数多く出回っており、なかには機能が貧弱なものもあるためご注意ください。節電アプリを入れたことによって消費電力が大きくなっては本末転倒です。
同じ機能を持つアプリを複数導入しても意味がない
同じ機能を持つアプリを複数インストールしても、電力消費やメモリ消費が増えてしまうだけで意味はありません。性能・機能制限系アプリ、通信キラー系アプリ、タスクキラー系アプリのように目的が異なるアプリを複数入れるのはOKです。アプリの機能はしっかり把握しておき、同じ機能を持つアプリは1つに絞りましょう。
性能や機能が極端に制限されると使い物にならない
性能・機能制限系アプリや通信キラー系アプリにて、機能制限のしすぎにはご注意ください。画面が暗すぎて屋外で使用できなかったり、必要な際に通知が受け取れなかったりすると、結局アプリを解除してしまい長続きしないこともあります。機能制限に我慢できない場合は、モバイルバッテリーを購入して、常に持ち歩くことを考えてもよいでしょう。
タスクキラーはそもそも必要ない
タスクキラー系アプリは節電どころか、逆に電力消費を大きくしてしまうとわかっています。節電アプリの選択肢から外してもよいでしょう。
バッテリーを長持ちさせるどころか、むしろ悪化させる
タスクキラー系アプリはバックグラウンドアプリを終了させ、メモリを解放することで電力消費を抑えることを目的としています。しかし、アプリをメモリに保存するのは、誤って削除したデータや動作が不安定になったシステムを修復するため。必要なデータまで削除してしまうとパフォーマンスが劣化します。
また一部のアプリにはバックグラウンドで動作し続ける必要があるタスクもあり、強制終了してもすぐに再起動を行ないます。その際は再起動時の消費電力のほうが大きくなってしまうため、不必要にアプリをオンオフすることは逆効果にしかなりません1 。
不要なアプリの終了は端末側が自動で行なう
AndroidとiOSのどちらのOSでもアルゴリズムを用いてメモリ管理を行ないます。一定時間使用していないアプリや、必要以上に電力やメモリを消費しているアプリは自動的に停止する機能が備わっています。
アプリを完全に停止させてからの再起動に比べると、メモリを確保しているアプリを再起動する場合のほうが、動作が早く効率的です。アプリの起動や終了は、タスクキラー系アプリや手動で行なうよりも、端末に任せてしまうことが一番でしょう。
スマートフォンの節電方法

性能・機能制限系アプリや通信キラー系アプリはうまく使えば節電につながります。しかし種類が多いため選ぶのも大変でしょう。アプリを使用せず、端末自体の設定変更だけでも十分節電は可能です。細かく設定を変更するのが面倒なら、省電力モードを活用するのもよいでしょう。
本章では詳細な節電方法を紹介します。スマートフォンで消費電力が特に大きいのは通信とディスプレイであるため、この2つを重点的に対策するのがコツです。
Wi-Fi・Bluetooth・GPSは使わないとき以外オフにする
無線通信機能をオンにしていると、自動的に接続先を探索します。接続先がすぐに見つかって接続すれば良いですが、見つからない場合はバッテリー消費が激しくなることが難点です。
無線を使わない場合は設定をオフにしておきましょう。ただし設定を変えたことを忘れてしまうと、Wi-Fiがつながっていると勘違いして動画を見てしまい、通信量が膨大になる恐れも。端末側の設定で、モバイルデータ通信をしたくないアプリをオフにする機能があります。YouTubeのアプリで頻繁に動画を見る方などは、活用するとよいでしょう。
画面の明るさを下げる
画面が明るいほどバッテリーの消費が激しいため、普段から必要以上に明るくしないよう注意してください。また画面の色によっても電力消費が異なり、白色の場合が一番大きく、黒色は少ないです2。 端末やアプリのなかには「ダークモード」の機能があり、画面の背景色を黒がベースのテーマに変更できるものもあるので、積極的に活用するとよいでしょう。
ホーム画面を整理する
ホーム画面で動くライブ壁紙やウィジェットを使用していると、消費電力が大きいです。特にウィジェットはバックグラウンドでアップデートを行なっており、通信が発生している場合もあります。
特にホーム画面に切り替えて画面を再描写するときに、消費電力が大きくなります。画面上の情報量が多いと、表示されるまでに時間がかかってしまうことも。ライブ壁紙やウィジェットだけでなく、アプリのアイコンも減らしてなるべくシンプルにしましょう。
アプリの自動同期、自動更新を停止
GoogleアカウントやSNSなど、通信して自動同期を行なうアプリは多くあります。十分に一度など、高頻度で通信を行なっていれば消費電力の増加が大きいでしょう。アプリの同期や更新のスケジュール設定を変えることをおすすめします。同期や更新の時間間隔を長くする、自動ではなく手動でのみ対応する、などが考えられます。
使用しないアプリのプッシュ通知、位置情報サービスをオフにする
アプリのプッシュ通知は、通知があるたびにスリープ状態を解除してディスプレイをオンしてしまいます。また通知が届いた際にデータ通信が行なわれる場合も。必要が無ければ通知設定をオフにしておきましょう。
現在地を特定する位置情報サービスを用いたアプリにも注意が必要です。設定がオンになっていると、頻繁にGPSとの通信を行なうため消費電力増大の原因に。本当に必要なものを除いて設定を解除しておきましょう。そもそも使用しないアプリであれば、アプリ自体をアンインストールしてしまうのが確実です。
スマートフォンのデフォルトの設定でも十分
スマートフォンの節電アプリは、性能・機能制限系アプリ、通信キラー系アプリ、タスクキラー系アプリの3種類があります。いずれも使用するアプリの選択を間違えたり、おかしな使い方をしていたりすると、機能を十分に活かせずに逆効果になることも。特にタスクキラー系アプリは使用しても効果がなく、アプリの起動や終了は端末に任せてしまうことが一番です。
スマートフォンの消費電力は、特に通信とディスプレイがおもな要因となります。節電を気にするならこの2つを重点的に対策しましょう。節電アプリを使わなくとも、端末自体の設定でも十分対応は可能です。細かい設定が面倒であれば、省電力モードをうまく活用してみるとよいでしょう。